非心臓性胸痛(Noncardiac Chest Pain:NCCP)

非心臓性胸痛
(Noncardiac Chest Pain:NCCP)

狭心症や心筋梗塞を思わせる胸痛患者に、心臓由来でない胸痛を主訴とする患者さんが増えています。欧米では胸痛患者の約60%はNCCPであるとも言われています。以前は、これらの患者さんは心臓神経症と呼ばれていました。

心臓の痛みでないと診断された後も、頻繁にそして何年にもわたって病院に来る傾向にあり、研究によると、NCCP患者は不安やうつ状態の有病率が高いことが分っています。
このような患者さんは心臓病専門医または主治医によって治療されますが、なかなか良くならないことが多い機能性身体症候群の1つで心身両面から診断と治療をすることが必要です。

NCCPの原因には下記の様な病気があります。

◆ 40%は胃食道逆流症(GERD)
◆ 残りの60%の内、食道由来の胸痛で多いのが、び漫性食道痙攣、ナットクラッカー食道、 食道アカラシア
◆ 食道以外
➀消化管ガスペイン(胃心症候群、脾湾曲症候群、肝湾曲症候群)
②パニック障害、肺梗塞、気胸、大動脈解離、胸膜炎、帯状疱疹など

ストレスにより誘発された不安、恐怖、活動亢進行動が食道運動障害と疼痛閾値の低下に影響を及ぼします。なによりも痛みの原因が分からないというストレスが胸痛持続に深く関与しています。